高市政権が掲げた食料品の消費税ゼロ。総選挙の公約はどこへ行ったのか。背景にあるのは財務省の巻き返しです。かつて財務省の用人房は森山さんでした。高市政権誕生で森山さんが失脚し、財務省は今阿松三雄軸に政権を動かそうとしている。高市さんは阿松支配からの脱却を目指しましたが、ここに来て急速に沸き。
財務省の新たな用人房阿松太郎を中心とした拠党体制ができつつある。今日は一枚の財務省人脈図を見ながら、消費税ゼロがなぜ棚上げされつつあるのかを読み解きます。まずはこちらの図をご覧ください。財務省を取り巻く主な政治家の関係を示したものです。主役は4人。財務省と密接な関係にあるのは自民党の阿松副総裁と森山前幹事長。
逆に財務省と敵対関係にあるのは高市早苗総理と国民民主党の田巻雄一郎代表。ややこしいのはアンチ財務省の高市さんと田巻さんが対極にあること。そして財務省に近い阿松さんと森山さんも対極にあること。つまり財務省への近さと政局的な立ち位置がねじれている。ここが混乱の源です。高市政権が誕生する前石破政権時代、財務省の用人房は森山幹事長でした。
阿松さんは失脚し、森山さんが影の総理として自民党内に君臨していたんです。森山さんは連立パートナーの公明党と密接な関係を築き上げていた。さらに当時は野党大党だった立憲民主党の安住淳幹事長とも実婚の関係でした。自民党は衆参両院で過半数を 割っ て い た森山さんは自公と立憲の大連立を目指していたんです。
森山さんと安住さんはもともと大物国対族、そしてどちらも大物財務族でもあります。安住さんは自公民三党が消費税増税で合意した時の財務大臣だった。森山安住財務省のラインは再び三党連立による消費税増税を目論んでいたんです。
森山さんは自民党内の基盤が非常に弱い少数派発森山派のトップに過ぎませんでした。自公与党の過半数割れをむしろチャンスと捉えていた。立憲と消費税増税を旗印にした大連立に踏み切り、森山安住財務省のラインで政権運営を完全掌握するつもりでいたんです。石破総理が退陣し阿松さんの後押しで高市政権が誕生すると影の総理と恐れられた森山さんは失脚します。高市さんが仕掛けた1月解散を受け立憲と公明は新党中道結成し総選挙に臨みました。この背景には立憲と公明が自民の森山さんと連携し高市政権を倒して三党の大連立を作っていこうそんな狙いも隠されていたんです。
けれども中道は総選挙で壊滅的敗北を喫し安住さんも落選した。逆に高市自民党は過去最多316議席を獲得森山さんも党内で影響力を失いました。森山安住財務省ラインによる大連立構想は完全に頓挫したんです。高市さんは積極財政を掲げ財務省と敵対関係になった。財務省出身の総理秘書官を遠ざけ財務省幹部とも直接コンタクトを取るのを避けました。当初高市総理と
財務 省 の 橋渡し 役 を に なっ た の は 片山 さつき 財務 大臣 です片山さんは東大から財務省に入り、初の女性主計官を務めたエリート。けれども政界に入った後は積極財政派の旧先鋒となり、財務省からうとんじられてきた。総裁選で高市さんを支持、財務大臣に抜擢され、初めて表舞台に立ったんです。財務省をけひらいする高市総理とは違って、片山さんは財務省に愛着ある。財政収支を合わせることばかりに執着する財務省の緊縮財政路線を否定し、その一方で野放肆な積極財政にも慎重な立場を取ってきました。
片山大臣の中間で高市総理と財務省の双方が折り合える責任ある積極財政、この言葉で決着したんです。ただし片山大臣は高市総理と同様、自民党内の基盤がほとんどありません。財務省から見れば片山大臣だけでは高市官邸に対抗できない。何より総選挙の公約に掲げた食料品の消費税ゼロ、これを阻止することは不可能です。そこで頼ったのが阿松太郎でした。阿松さんは安倍政権で戦後最長の財務大臣を務めた。
ただそれまではむしろ財務省とは距離があったんです。もっと金をすればよい、そんな積極財政を訴える時期もありました。しかし財務大臣就任で一挙に距離は縮まった。財務省は当時安倍官邸の菅官房長官と対立していました。安倍政権は安倍、阿松、菅の三党体制だった。財務省が安倍官邸に対抗するには阿松さんの協力が何よりも必要だったんです。
ここから財務省と阿松さんの密月関係が始まった。高市政権が誕生し、財務省の用人房だった森山さんが失脚した。今 キング メーカー と し て 復活 し た 阿松太郎 は 財務 省 に とっ て 最後 の 頼み の 綱 ですけれども高市さんは阿松支配から逃れるため、阿松さんに近い国民民主党を遠ざけ、そのライバルの維新と連立を組んだ。さらに阿松さんに無断で1月解散に踏み切り、阿松さんの反対を振り切って消費税減税を公約にねじ込みました。阿松高市関係は冷え込んだ。
財務省にとっては大きな誤算だったんです。ここで財務省に紙風が吹きます。高市総理がタバコ部屋に閉じこもっている。そんな官邸の裏情報に加え、佐内トー君やSNSの誹謗中傷動画といった疑惑が次々に週刊誌に報じられた。政権上は一挙に不安定になりました。高市さん一転して阿松さんとの和解、一時休戦に踏み切ったんです。
自民党内には阿松さんが主導する高市支持議連国力研究会が発足されました。なんと8割以上の議員が参加した。またたく間に阿松太郎を中心とする挙動体制が出来上がったんです。阿松さんの反対を振り切り、総選挙の公約である食用品の消費税ゼロ、これを進める気運は全くなくなりました。減税ムードは一挙に冷えたんです。自民党内では阿松さんに近い国民民主党を加える連立拡大論が再燃してきました。
阿松さんの義理の弟である鈴木春一幹事長に加え、高市さんと敵対関係にあった参議院自民党の幹部からも次々に連立拡大論が沸き上がったんです。国民民主党もこれまで掲げてきた消費税減税の旗を下ろした。減税を強く掲げたままでは阿松主導の高市政権に加えこと は でき ませ ん当面は国政選挙が予定されていないこのタイミングで連立入りの環境を整えておこう。そう考えたのではないでしょうか。
田巻代表は先日の党首討論で国民民主党がまとめた3兆円程度の緊急経済対策を紹介した上、速やかな補正予算編成を高い総理に求めました。具体的にはガソリン補助金は出口を考えるべきだ。できる限り新規の国債発行に頼らない補正予算が必要だ。減税よりも給付を前倒しで行うべきだ。この3点を提案したんです。いずれも政権交代ではなく連立入りを視野に入れた提案と言えるでしょう。
これなら阿松さんも財務省も受け入れられる。田巻さんは財務省出身です。けれども積極財政や減税を掲げこれまで財務省から強く警戒されてきました。ここでは阿松さんとの関係を最優先し財務省に一歩譲って急戦に転じたのでしょう。阿松中心の挙動体制が完成に近づきつつある。高い総理や田巻代表の減税路線、積極財政路線が大きく交代するのか。
そして財務省が経済政策の主導権を完全に握るのか。阿松体制が強まる今の政局。今後の経済政策の行方が大きな焦点となってきます。
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